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建築家 久野 啓太郎のブログ

建築家 久野啓太郎のブログ。建築や仕事に限らず、何気ない日々の気になった事などを不定期につづっています。
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「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展 @国立近代美術館_1

0808近美01ローマ、ロンドンを巡回してきた展覧会で、日本の住宅建築を成立させる条件が大きく変わった戦後に焦点をあて、建築家による日本の家の模型や写真などがテーマごとに展示されていました。そしてなにより、建築家 谷口吉郎氏の設計による美術館本館がとても魅力的です。1969年竣工で、なんと石橋正次郎氏(ブリヂストン創業者)個人の寄贈(!)によるそうだ。その後、2002年に坂倉建築研究所の手により大規模な増改築を行い、今にいたります。

 

 

 


今回の展示内容でひとつ面白く思ったのは「プロトタイプと大量供給」というテーマで、世界的に見ても特異な住宅の作り方である、日本のハウスメーカーという業種の先駆けともいえるセキスイハイムによるプレハブ住宅が建築家による住宅と同列に展示してあったことだ。そこから現在の無印良品による住宅までが展示してあった。ここから発展して、いわゆる日本初のプレハブ住宅からハウスメーカーの隆盛にいたるまでをテーマにした学術的な研究に特化した展示がもっとあってもよいのではないかとは思った。それはすなわち、現代の日本の大多数の住宅を供給しているハウスメーカーでの住宅づくりへの一石を投じ、日本の街並みの風景を陳腐なものにしてしまったことへの反省と今後の家づくりを考える一歩となるのではないだろうかと思う。

 

しかし、全体的に見渡して、展示の内容にはついては住宅のセレクトが体系的に本当に重要なのだろうかと思うような奇抜としかいいようのない住宅も多く取り上げられていて少し疑問に感じた。その割に、なぜあの住宅がないのだろうかというものもあり、恣意的で偏った印象をもった。特に現代の住宅はただ変わった家を寄せ集めたという感じがあり大変残念だった。